第5回:
AIの著作権ってどうなっているの?

こんにちは!ぼくは、インフロニア・ホールディングスのスポークスマン「キャレたん」!
生成AIという技術は便利だけど、使い方によっては迷惑をかけちゃうこともあるみたいなんだ・・・
ぼくはきちんとルールを守った上で、使いこなすぞ~!!
   

前回まで

これまで学んできたことは以下の通りだよ!
今回はどんな学びがあるかな!?ワクワクするね!!

今回のもくじ

1.著作権ってなんだろう?

これまでの第1回~第4回まででは、画像生成AIモデルを構築して、
自分がつくりたいと思った画像をつくるためにはどうやったらいいかを学習したよね!
今回は画像をつくったり、つくった画像を利用するのに覚えておかなきゃいけない“著作権”について学ぼう!

“著作権”について簡単に説明すると、作品を作った人に2つの権利が生まれるんだ。
【著作権】
①作品を作った人の許可なくみんなに見せたり、名前を公表したり、内容を変えたりしてはいけないという権利

②作品を作った人が作品の使用料を受け取ることができる権利


また、“著作物”という単語も覚えておこう!
【著作物】
思想又は感情を 創作的に 表現したもの

2.著作権で作品をつくる人を守ろう!

どうしてこんな権利が生まれるのかというと、
小説や楽曲を制作などの作品をつくるということは、難しくてとっても大変なことなんだ💦

でも一生懸命つくり出した作品を、許可してないのに他の人に内容をそっくり真似されて販売されたりしたら、
作品をつくる人のやる気がなくなっちゃって、世の中にいい作品が出てこなくなるから、皆にとっても良くない状態になるよね!

だから、作品をつくる人を守るために“著作権”が生まれたんだ!

3.著作権侵害

他の人がつくった漫画や音楽やプログラムなどの作品を著作権者の許諾を得ないで無断で利用することを「著作権侵害」というんだ!

例えば、ネット上の画像を無断でコピーしてSNSのアイコンにしたり、自分が運営しているお店でBGMとして勝手に音楽を使用して流すことなども「著作権侵害」にあたるんだ!
じゃあAIの場合の著作権侵害はどうなっているんだろう?

実際の事例を学んでいこう!

4.画像生成AIが著作物を学習した場合

実際の事例についてお話する前に事前知識だよ!
以前学んだ通り、画像生成AIを構築するには大量の画像を学習させる必要があるんだ!
理想としてはきちんと著作権者と交渉して、時にはお金を払って許可を得ることなんだけど・・・

現実はどうかというと、
日本の法律ではAI学習に著作物を使うことは「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用行為」として認められていて、
もちろん例外はあるんだけど、
著作権を持っている人の許可を得なくても行えるんだ。



さらに、与える指示次第で簡単に作品に似せることができたり、大量につくるとたまたま似たものができてしまう可能性もあるんだ・・・

第3回で学んだように、「キャレたん」は「猫の耳」をしていると紐づけて学習させたAIモデルに、「猫の耳」とプロンプトを入力したら、
ぼくの顔またはそれに近いものが生成される、のようなことが起こるんだ。

そういったモデルから生成される画像は、学習した著作物に似ている可能性があるから、著作権侵害のリスクがあるんだ!
また、許諾無しに勝手に学習されることをよく思わない人もいるよね。



じゃあ実際の事例についてだけど、みんなが知っているような海外の大きい会社が、
自分の会社の作品を勝手に学習されていて、そのAIが自社の作品によく似た画像を生成していると、訴訟を起こしたんだ!!

でも、裁判を起こされた側は、その国で認められている
「研究や教育みたいなみんなのためにやろうとしているなら著作権侵害にならないよ!」
っていう著作権の法律の範囲内だから問題ないって反論しているみたい。

この裁判の結果は出ていないから、誰がいいとか悪いとかはないんだけど、
許可を得ていないんだけど使われた!って裁判は他にもたくさんあるから、1つ1つの判決で法律をどのように解釈されるのか注目だね。

5.画像生成AIでつくったものの著作権は?

2つ目の事例だよ!
今度は画像生成AIでつくったものに著作権が認められるかっていう話なんだけど、みんなはどう思うかな?

「プロンプトをちょちょいって打てば、誰でもすぐにできる簡単なものだから著作権はないはず!」って考える人もいれば、
一生懸命考えて作っている んだから、著作権はあるでしょ!」って考えるひともいるかもね!



じゃあ国の法律に関係する機関はどう考えているかっていうと、
AI を 道具として使って画像を生成したなら著作権あり!
AI が 自律的に生成したものと言える場合は著作権無し!
って考えているらしいんだ。

①はどういうことか簡単にいうと、画像生成AIに画像を出力してもらってから、イラストレーションのツールを使用して絵を描くように、
自分の中の「こういったものを創作したい!」という思いをもって絵を描く道具として生成AIを使用して創作を行ったなら、著作権はありと認められるといった考え方なんだ。

それに対して②は、単純に生成ボタンを押しただけだったり、簡単にプロンプトを入力しただけならば、
人間ではなくAIのアルゴリズムが単に出力しただけとみなされ、著作権が認められないという考え方なんだって



それでは実際の事例についてだけど、
これもまた海外の話で、ある人が画像生成AIと画像を編集するソフトを使って、
とっても芸術的なスゴ~い画像をつくり出したんだ!

スゴ~い画像だからデジタルコンテストでも1位を取ったりしていたんだけど、
この画像の著作権登録の申請を出したら、
なんとこの画像に対して著作権は認められなかったんだ!

じゃあ、どうやってAIを使えば著作権が認められるのか、以下が判断の要素なんだって!
・指示・入力の分量
・生成の試行回数
・複数の生成物からの選択

そのある人は「600回以上もプロンプトを入力しているし、画像編集ソフトも使っているから認めてほしい」と著作性を認めるように要求したんだけど、
権利を取り扱う機関からは拒否されてしまったんだ。
でも、作者のひとは「認められるまで頑張る!」って意気込んでいるからスゴいよね!ぼくだったら挫けちゃうかも

6.まとめ

AIの著作権については、
日本も含めて他の国も何が許されて何が許されないのか手探りな状態、ってことがわかったね!
だからAIを使うことがこれから当たり前になっていくぼくたちにできることって何だろうって考えて、
↓みたいなことを思いついたんだけどどうかな?

AIに関する情報に敏感になろう!
AIに関する最新の裁判例だったり、トピックをたまにでもいいから検索して、
知識をアップデートしていけば、環境を理解みんながどう考えているのかがわかるね!!

誰かの迷惑になったりしていないか考えながら使おう!
画像を利用して何か画像をつくりたいと思った時に、AIモデルやサービスの提供元が公開している利用規約やプライバシーポリシーを確認し、
データの収集方法や利用目的が明示されているかなど確認するといいね!
また、複数のサイトで信頼性の評価を確認するのも有効だね。

サカモト

サカモトからのひと言
(技術担当)

AI自身が思想や感情を持ち、創作的意図を伴って自律的に画像や音楽を生成した場合はどうなるのでしょうか。

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