自然再興

生物多様性

方針・考え方

インフロニアグループは、あらゆる場⾯において、地球資源の恩恵を受けながら事業活動を⾏っています。その⼀⽅で、事業活動に伴う土地の改変、資材や水の調達、⽣産過程での排水や廃棄物、そして、製造物の使用や供用段階など、バリューチェーン全体を通じて⽣物多様性に影響を与えていることを認識しています。
⾃然を回復軌道に乗せるため、⽣物多様性の損失を止め、反転させる「ネイチャーポジティブ」の実現に向けて、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーとも連携しながら、インフラに期待される機能的価値を保ちつつ、⽣物多様性の保全と⾃然を再⽣させるための⾏動を推進しています。
調達・運用・更新を含めた全ての事業領域において、⽣物多様性の保全と資源の持続可能な利用に取り組み、社会・地域の安全・安⼼とサステナビリティの実現を目指します。また、⾃然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用するグリーンインフラを推進しています。

三井住友建設ではTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures、自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った依存と影響、リスクと機会といった自然関連課題の分析・評価・開示を行っています。

目標

当社グループは、地域と連携した⾃然再興につながる活動を継続しながら、持続可能な森林づくりに貢献する木材利用の拡大を推進しています。また、土地利用における⽣物多様性への影響の最小化や水資源の効率的な運用によって使用量を必要最小限にとどめ、適正な排水管理を実施していきます。なお、2025年度中にTNFDの情報開⽰に向けた取り組みを開始します。

取り組み

当社グループは、2030年に向けた地球の陸・海それぞれの30%の面積を保全する国際目標へ貢献するために、環境省が発足した「生物多様性のための30by30アライアンス」へ2023年11月より参加しています。2024年9月現在、前田建設のICI総合センターに整備したビオトープの「自然共生サイト」認定およびOECMへの登録を目指し取り組みを進めています。

小笠原環境教育プロジェクト

前田道路は、2022年度より同社小笠原営業所がある小笠原諸島にて、生物多様性環境教育プロジェクトを行っています。当プロジェクトは、生物多様性の損失をはじめ環境への問題意識をもつ技術者を目指す学生を対象に、「インフラと生物多様性の共生」について学び、環境保全の重要性を広く周知しながら、持続可能なアイデアの創出目指しています。本プロジェクトでは約半年をかけて生物多様性や、道路インフラ、小笠原諸島の生態系について学び、小笠原現地へ訪れ環境保全活動に参加しています。2023年度末時点で第3期開催までを開催中で参加大学は全国10校、参加者はのべ34名になりました。2023年度は第2・3期プロジェクトを実施し、2期にわたり外部講師による特別講義を開催、現地では小笠原の歴史や生態系を学びながら、海の生態系保全ビーチクリーン活動への参加、国有林の森林再生活動の見学、自然に配慮した道路舗装についてのディスカッションを行いました。そして、2024年2月17日品川区「環境表彰式」にて、本プロジェクトが令和5年度「環境保全活動顕彰」の企業賞を受賞しました。「環境保全活動顕彰」は、環境保全に関して模範となる活動を行った企業や団体を表彰し、広く周知することを目的として開催されています。

ビーチクリーンの様子
森林再生学習の様子

ICI総合センターが創出するネイチャーポジティブ

前田建設ICI総合センター(茨城県取手市)の外構は、敷地全体をビオトープと見立てたランドスケープ計画に基づいて造られました。敷地の中心部には種々の水生植物が植栽された2,000㎡ほどの水辺を整備し、整備後5年経った現在、ギンヤンマなどのトンボやニホンアマガエルなどの両生類、カルガモなどの様々な野鳥が水辺を利用していることが確認されています。
また、キンランなどの希少種を保護しているコナラを中心とした既存林はそのまま保全し、新たに造成された場所には、すべて在来種によるカバープランツや中低木・高木をバランスよく配植しています。さらに、近年減っている在来種のチガヤを主体とした、まとまった草地を創生しています。
なお、ICI総合センターのICI LABでは、継続的な生物多様性保全の指標として、公益財団法人日本生態系協会による生物多様性に係る評価「JHEP認証」を重視しており、2018年に最高ランクのAAA認証を取得しました。また、2023年10月に更新認証を受け、AAA認証を維持しています。
そして、ネイチャーポジティブの実現に向け、民間の取り組み等によって生物多様性の保全が図られている地域を環境省が認定する制度である「自然共生サイト」に認定されました。この制度は2023年度から開始され、2025年4月に「地域生物多様性増進法」の施行によって法制度化となり、主務大臣(環境大臣、農林水産大臣および国土交通大臣)より認定されます。さらに、OECM(Other Effective area-based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)として、 国際データベースにも登録されています
こうした更新性のある外部評価、認定制度を指標とさせていただくとともに、この度の評価を意義深く受け止め、引き続き「持続可能な自然環境保全と創出の核となる場所」に寄与する研究開発、普及啓発に取り組んでまいります。

ICI総合センターのビオトープ
自然共生サイト認定ロゴ

インフロニアの森林整備活動

当社は、インフロニアの森およびMAEDAの森を全国に5か所有しており、地元の方々と協力しながら森林保全・整備活動を継続しています。2024年度は、当社グループの事業所が主体となり、5回の森林整備活動を実施しました。

森林整備面積 
6.3ha (≒東京ドーム1.3個分)

森林整備参加人数 
224人

森林整備活動の様子
森づくり講義の様子
タイでの森林整備の様子

環境

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