INFRONEER Holdings Inc. INFRONEER Holdings Inc.

生物多様性

基本的な考え方

インフロニアグループは、事業基盤である自然資本の持続可能な利用と共生に向けて「気候変動」「資源循環」「生物多様性」「汚染防止」「水の安全保障」などの分野を軸に、長期的な視点での取り組みを進めています。加えて、インフロニア独自の「地球への配当」を通じた諸活動を推進しています。

生物多様性

私たちが目指す「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現には、地球環境という土台が欠かせません。当社グループでは、調達・運用・更新を含めた全ての事業領域において、生物多様性の保全と資源の持続可能な利用に取り組み、社会・地域の安全安心とサステナビリティの実現を目指します。また、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用するグリーンインフラを推進しています。土木・建築・舗装事業では、特に多くの自然資本の投入が必要であることから、環境負荷の低い建材の利用と資源循環モデルの構築に取り組んでいます。2022年度は地元木材を使った熊本県八代市新庁舎を建設し木造建築の普及に努めました。また、開発を行う際には、生態系の保全等を目的に環境アセスメントを実施し、絶滅危惧種の保護や近隣の生態系保護に取り組んでいます。機械事業では、森林資源の循環利用促進に寄与する林業・加工機械分野の研究開発、インフラ運営事業では、資源の持続的な利用を目指して生物多様性の保全を推進しています。

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2023年度事例:小笠原環境教育プロジェクト ~Bonin Infrastructure Initiative~

前田道路は、同社小笠原営業所がある小笠原諸島にて、2022年度に環境教育プロジェクトを開始しました。産学が協力し、次世代を担う技術者となる学生を対象に、「生物多様性とインフラの共生」について学び未来へつなげることを目的としています。プロジェクトでは、まず事前勉強会を計4回開催し、現地視察では実際に自然の豊かさに触れながら現地有識者の講義を受け、現地の環境保全やインフラ整備について学びました。生物多様性や前田道路の事業など多岐にわたり理解を深め、参加した学生からは「環境へのインパクトが大きい物事こそ真摯に向き合うべきであり、そういった仕事を通して環境保全をしていきたい」という感想を貰いました。2023年度開催の第2期は、事前勉強会で外部講師を招き講演会を行いレベルアップを図ります。そして前田道路としては、環境教育プロジェクトにより得られたナレッジをもとに、今後も「人と環境にやさしい道づくり」による社会への貢献を目指します。

2023年度事例:貴重種キンランの保全とJHEP認証取得

前田建設ICI総合センター(茨城県取手市)の外構は、敷地全体をビオトープと見立てたランドスケープ計画に基づいて造られました。敷地の中心部には種々の水生植物が植栽された2,000㎡ほどの水辺を整備し、整備後5年経った現在、ギンヤンマなどのトンボやニホンアマガエルなどの両生類、カルガモなどの様々な野鳥が水辺を利用していることが確認されています。
また、キンランなどの希少種を保護しているコナラを中心とした既存林はそのまま保全し、新たに造成された場所には、すべて在来種によるカバープランツや中低木・高木をバランスよく配植しています。さらに、近年減っている在来種のチガヤを主体とした、まとまった草地を創生しています。
なお、ICI総合センターのICI LABでは、継続的な生物多様性保全の指標として、公益財団法人日本生態系協会による生物多様性に係る評価「JHEP認証」を重視しており、2018年に最高ランクのAAA認証を取得しました。また、2023年10月に更新認証を受け、AAA認証を維持しています。引き続き、生物多様性の保全活動に取り組みます。

ICI総合センターのビオトープ

2023年度事例:森林整備活動

前田製作所は、自然環境保護を目的に長野県戸隠地区に約5400㎡の雑木林(通称:前田の森)を保有しています。この雑木林を社員ボランティア活動を通じてCO₂吸収源として認められる森林へと整備・変化させていく予定です。森林と認められた場合、年間約4tのCO₂吸収効果が見込まれます。2022年度、前田の森では野鳥の保護を目的とした鳥の巣箱設置ボランティア活動を行いました。
また2023年度には、NPO法人主催の笹刈りボランティアへの参加(長野県戸隠地区)や、地域が主催する植樹祭へ参加(長野県白馬村)しており、地域の森林を保全する活動についても積極的に取り組んでいます。

前田の森での巣箱設置ボランティアの様子

2022年度事例:浜松防潮堤における取り組み

前田建設は静岡県浜松市において、約17.5kmにわたる防潮堤整備事業に参画しました。この防潮堤は中心部にCSG材を用いることで、津波によって周りの土砂がある程度けずられてもCSGがしっかり残って津波を緩衝する粘り強い構造体となっています。また、覆土により防災林機能の再生が可能となり、環境・景観にも配慮するほか、飛砂や塩害の助長などによる人家への影響が抑制されます。その他、地元NPOとの協働でアカウミガメ保護や希少植物の移植など、自然環境に配慮した施工を行いました。施工期間中より地元の浜松南高校と取り組んでいたカワラハンミョウの保護活動については、事業完了後も同校が取り組みを継続した結果、2021年に環境大臣賞を受賞しました。

浜松防潮堤

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