インフロニアグループは、資源を一度使って終えるのではなく、価値をできるだけ長く社会の中で活かし続ける循環経済の実現を目指しています。原材料の採取から製造、利用、再生・再利用に至るライフサイクル全体を見据え、資源投入量の抑制と価値の最大化、廃棄物の削減を同時に実現することが重要であると考えています。建設・インフラ分野における技術やノウハウを活かし、再生・リサイクル、高耐久化、アップサイクル、ストック活用といった多様な取り組みを組み合わせながら、循環経済の実現に貢献していきます。
具体的には、再生材の活用や廃棄物削減を通じて資源の循環を図るとともに、高耐久・高性能な技術によって更新や補修の頻度を抑え、資源消費や環境負荷の低減を目指しています。また、従来は廃棄されてきたものに新たな役割を与えるアップサイクルや、施設の再生・維持管理・運営を含めたストック活用にも取り組んでいます。インフロニアグループは、こうした多面的なアプローチを通じて、資源の価値を最大限に引き出し、環境負荷の低減と社会基盤の持続的な価値創出を両立する循環経済の実現に貢献します。
インフロニアは、2023年12月にサーキュラーパートナーズに参画、2024年5月に業界初となる循環経済協会およびBLUE Plastics Salonへ参画しました。それぞれの活動の中で、有意義な交流を重ね、社内では目標設定に向けた議論を深めてまいりました。そして、2024年11月インフロニアのサーキュラーエコノミー目標を設定いたしました。従来より推進をしていた省資源化や再⽣材の利用、最終処分量の削減は継続して推進するとともに、より少ない資源投入で高付加価値を創出することを目指し、目標を設定しています。
①2030年までに再生アスファルト合材事業に投入する再生材料の割合を50%以上とする
②2030年までに主要資材(鋼材、アスファルト、コンクリート)の資源生産性
※を25円/kgとする
※資源生産性は、当社が総合KPIとして掲げている「付加価値額」を主要資材の投入量で除した値。
| 目標(2030年) | 実績(2025年) | |
|---|---|---|
| 廃棄物の最終処分量削減に向け、リサイクル率を向上 | 98%以上※1 | 95.5% |
| アスファルト合材事業に投入する再生材料の割合 | 50%以上 | 46% |
| 主要資材(鋼材、コンクリート、アスファルト)資源生産性の向上 | 25円/kg以上 | 33円/kg |
インフロニアは「再生材の利用率向上と廃棄物ゼロに向けた取り組み」を重要テーマとして掲げ、各事業会社で下記の取り組みを進めています。
前田建設では、サステナビリティの実現に向け、作業所等で発生した「廃棄物」を「資源」として循環させる取り組みを進めています。
その一つが、建設現場や生コンクリート工場で発生する残コン‧戻りコンを洗浄‧分別して資源利用する「グリーン骨材」です。グリーン骨材は、産業廃棄物削減など環境負荷低減へ寄与することから資源循環型コンクリートの材料として注目されています。
さらに、解体現場などから発生するコンクリート塊(コンガラ)を加工し、再びコンクリートに活用して資源循環させる「再生骨材」の普及・促進にも取り組んでいます。なお、「再生骨材」を活用したコンクリートは、JISで「再生骨材」の品質に応じて用途が整理されており、前田建設では、特に、再生骨材と天然骨材を組み合わせた再生骨材コンクリート(M)について、地下構造物への施工を段階的に拡大しています。
グリーン骨材が「施工・製造過程で発生する廃棄物」の資源利用であるのに対し、再生骨材は「建物の解体段階で発生する廃棄物」を資源循環させるものであり、この建築物のライフサイクルである建設から解体までを視野に入れた資源循環活動を通して、「廃棄物処理コストの削減」「天然資源の抑制」「廃棄物の減量」「CO₂排出の削減」等、社会問題の解決に貢献しています。
前田道路では、循環経済の実現に向け、建設工事現場から排出されるアスファルト塊やコンクリート塊を主とする建設副産物のリサイクル事業を全国で展開しています。全国の破砕工場で受け入れた建設副産物は、再生骨材や再生路盤材として再資源化され、顧客への販売を行ったり、再生アスファルト合材の材料として活用しています。これらの取り組みを通じて、最終処分量の削減や天然資源使用量の低減に貢献しています。
前田道路では、循環経済の実現に向け、廃PETボトルを原料としたアスファルト改質材を活用する高耐久型アスファルト舗装「REAP(リープ)」を展開しています。REAPは、廃PETという生活由来の資源を舗装材料として再利用することで、資源の有効活用と耐久性向上を同時に実現しています。さらに、前田道路独自の低炭素化手法により製造されており、アスファルト合材製造時のCO₂排出量削減にも貢献しています。1,000㎡あたり約1万2千本分のPETボトルをリサイクルできる点も特長で、廃棄物削減と環境負荷低減をインフラ整備の中で具体的に実装する取り組みです。REAPは、資源循環と社会基盤の品質向上を両立する循環型舗装の一例です。
前田建設では、循環経済の実現に向け、従来は再利用が困難とされてきた風力発電所の廃棄ブレード(風車の羽)に着目し、新たな価値創出に取り組んでいます。ガラス繊維や炭素繊維を含む複合構造の廃棄ブレードは、埋立や焼却処理が主流でしたが、本取り組みでは超小集電技術を活用し、廃棄ブレードそのものを電力獲得の媒体として再利用しました。実証実験では、歩道や庭園の夜間照明として利用可能な電力を創出できることを確認しており、廃棄物削減とエネルギー循環を両立する新たな循環モデルを提示しています。前田建設は、廃棄物に新たな機能と価値を与えることで、資源循環の高度化と持続可能な社会の実現に貢献していきます。
前田建設では、既存インフラの長寿命化と再生を通じた循環経済の実現に向け、富山市総合体育館において「R(Rehabilitate)+コンセッション方式 ※」の事業に参画しています。本事業は、施設の収益化と長寿命化を実現し、新たなまちづくりの中核施設として賑わいを創出する拠点とすることを目的としています。設計・改修と維持管理・運営を一体で行い、民間事業者のノウハウや創意工夫を最大限に活用した、建設分野における再生・長寿命化型の循環の実践事例です。
※PFI 法に基づき、事業者が自らの提案をもとに施設の設計・改修を行う R(Rehabilitate)方式とPFI 法第 2 条第 6 項に定める公共施設等運営権(コンセッション)方式を組み合わせた事業方式
三井住友建設が西日本高速道路(株)と共同研究により開発した超高耐久橋梁「Dura-Bridge®」は、循環経済における「長く使い続ける」設計思想を体現したインフラ技術です。鉄筋やPC鋼材を使用せず、腐食しない新材料を採用することで、従来の橋梁で課題となっていた劣化や頻繁な補修・更新を大幅に抑制します。構造物の高耐久化により、将来の更新需要そのものを減らし、資源消費や建設に伴うCO₂排出量の削減に貢献しています。Dura-Bridge®は、インフラを繰り返しつくり直すのではなく、世代を超えて使い続けることを可能にし、社会資本の持続可能性を根本から高める循環モデルを提示しています。
日本風力開発グループのイオスエンジニアリング&サービスでは、風力発電設備の長期安定運用に向け、ブレード補修技術者を育成する国内初の専門教育施設を開設しました。風車の大型化や洋上風力の拡大に伴い高まる保守需要に対応し、点検から高度補修まで担う人材を育成。設備の長寿命化と安定稼働を通じ、再生可能エネルギーの持続的な活用に貢献します。さらに、外部向け研修や研究開発も視野に入れ、再生可能エネルギー設備の価値を持続的に引き出す循環型の仕組みづくりを推進します。

外部との協働
建設資源循環のあるべき姿とその実現のための情報インフラの研究
当社は、早稲田大学環境総合研究センター 小野田弘士 所長の指導により、「建設資源循環のあるべき姿とその実現のための情報インフラの研究」を実施しました。サーキュラーエコノミーに関する取り組みを推進するうえで、デジタル化への取り組みと一体的に検討することが不可欠であり、本研究において、情報インフラの具体的なモデルの検討を行いました。本研究を基礎として、建設資源循環の情報インフラ整備が進展することを期待します。
この共同研究は、当社独自の仕組みである「地球への配当」を活用しています。