BIMと360度カメラの動画を活用した工事写真により、 指定確認検査機関による中間検査を実施
インフロニア・ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:岐部一誠、以下「当社」)、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役会長CEO 落合陽一、代表取締役社長COO 村上泰一郎、以下「PxDT」)は、アクセンチュア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:江川昌史、以下「アクセンチュア」)とともに、360度撮影が可能なデジタルカメラによる建設中の現場の撮影動画とBIMを重ね合わせ、データ上で対象物を測距した静止画を切り出す技術(以下、「本技術」)により、BPO(Business Process Outsourcing)を活用した工事写真を作成する配筋検査支援サービス(以下、「本サービス」)を開発しています。この度、当社の子会社である前田建設工業株式会社(以下「前田建設」)が施工する東京都内2件のマンション建設現場((仮)白金台4丁目計画新築工事、(仮称)芝浦2丁目計画。発注者はともに住友不動産株式会社)において、建築基準法上の中間検査で、本サービスを用いた工事写真が指定確認検査機関である日本ERI株式会社により、従来のデジタルカメラによる工事写真(以下、「従来手法による工事写真」)と同様に提示資料として取り扱われました。
従来手法による工事写真の撮影は、施工者の係員や協力業者が鉄筋の本数を数えるためのマグネットや、長さを測るためのリボンロッドを持ち、現場を巡回しながら1枚ずつ静止画で撮影を行うため、現場にとって大きな負担となっていました。本サービスは、現場係員が撮影した360度動画をアップロードし、その後BPOにより静止画を切り出し、その切出した画像上に本数確認のためのチェックマークや長さを測るためのデジタルメジャーを設置することができるため、現場での撮影の時間を大きく削減することができます。
今回、中間検査資料として取り扱われたことは、本サービスを用いた工事写真が従来手法による工事写真と比較して遜色ない品質を確保でき、撮影に係る負荷低減に大きく貢献することを示したものと言えます。
近年、建設業において現場技術者の人手不足、時間外労働の上限規制への対応、働き方改革などの社会的要請を受けて現場の効率化・デジタル技術の活用が喫緊の課題となっています。この建設業界全体の課題解決にもつながると考え、本サービスを前田建設が2026年度施工する適用可能な全現場において利活用するだけでなく、建設業界の各社様にもご利用いただけるように、外販の検討も進めることといたしました。
【本サービスの特徴】
1.現場をぐるりと撮影するだけで配筋検査を支援
建設現場において360度撮影可能なデジタルカメラで撮影した動画とBIMを精度よく重ね合わせることができ、データ上でデジタルメジャーを使用して測距することも可能です。これにより構造部材の鉄筋の本数や位置が適切かなどを確認することができます。
2. BPO(Business Process Outsourcing)の活用
撮影した360度動画からの写真の切り出し、本数を確認するためのチェックマークの設置、デジタルメジャーを設置したうえでの測距を含めた配筋写真の帳票作成は、現場外のBPOが実施することを標準としています。
3.配筋写真の撮影と作成に関わる現場工数削減
前田建設内の実証実験では、本サービスが対象とする配筋写真の撮影と帳票作成に必要な現場工数が約80%削減されました(本サービスが対象としない写真も含めた、配筋に関わる全ての写真撮影と帳票作成を比較した場合は約50%削減)。
導入による工数削減効果(本サービスの対象範囲での比較)と帳票作成イメージ
4.現場の声
「ロッドやマグネットを持ち歩く必要がなくなり、現場での記録写真を撮影する手間が大幅に削減された。」、「360度動画が保存されるので、撮り忘れの心配が減った」、「従来の記録写真と比較しても遜色ない画質」など、配筋検査支援サービスとして効果があること確認しています。
当社は、今後も本サービスの活用推進とともに、更なる現場DXソリューションの開発・展開により業務プロセスの抜本的な変革を推進し、業界全体の課題解決に努めてまいります。
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